サプライチェーンで人権、環境問題が生じていないかどうかを監視することを企業に義務付ける法案の採決をEU加盟国が先送りした。同法案は加盟国と欧州議会が12月に合意したもの。当初は成立が自明視されていたが、直前になってドイツが棄権を予告しことから法案成立に必要な特定過半数票確保の見通しが立たなくなり、議長国ベルギーが採決予定日の9日に、差し当たり1週間の延期を決めたのである。棄権は反対票と同じ機能を持つ。人口が最も多いドイツは会社に例えれば筆頭株主のようなもので、影響力が大きい。
ドイツ政府が棄権を決めたのは最小与党FDPの閣僚が法案への反対を表明したためである。同政府は閣内一致できない場合はEUで棄権することにしている。EU外交の世界で「German Vote(ドイツの投票)」と呼ばれる習慣だ。
シュルツ現…
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