ススム!ドイツ経済

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編集者のながめのつぶやき

時代の転換点に立つ

方丈記と西洋思想史の対話から見る未来

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編集部K
Aug 07, 2024
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この週末、堀田善衛の『方丈記私記』をなんとはなしに読み返した。東京大空襲など堀田氏自身の戦争体験を、平安末から鎌倉初期の乱世を生きた鴨長明の生涯と二重重ねにしながら自らにも内在する日本文化と対峙した、氏の代表作の1つである。

そのなかに「明治以降の近代日本というものが、ついにかかるところまで追い込まれたことについては、私にもそれがおそらく必然の道程であったのであろうと、ある程度の納得は行っていたのであった。その必然がもたらす運命にも黙って従うつもりであった。しかしその必然が、すでにぎりぎりの終末に近づいているのに、明日の、新たなる日本というものについての映像がどうしても、うまく目に見えてこない……」との叙述に続いて、方丈記の引用がある。

古京はすでに荒(れ)て、新都はいまだ成らず。ありとしある人は皆浮雲の…

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